肌の仕組みを知って、より効果的なスキンケアを!

肌が美しい女性

人間の肌は、大きく分けて表皮・真皮・皮下組織の3つの層で構成されています。美しい肌を手に入れるためには、この肌の仕組みをきちんと理解しておくことが大切です。肌の構造や役割を知ることで、より効果的なスキンケアができるようになりますよ。今回は、肌の基本的な仕組みを詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

表皮

表皮

肌の一番上にある層が表皮です。表皮はさらに4層に分けることができ、上から順番に角質層(かくしつそう)・顆粒層(かりゅうそう)・有棘層(ゆうきょくそう)・基底層(きていそう)と呼ばれます。

たくさんの層に分かれていますが、表皮全体の厚さはわずか0.3㎜程度。スキンケアをする際、よく「肌をこすってはいけない」といわれるのはこのためです。肌は非常に薄い層でできているため、やさしく丁寧に扱わないと、すぐに傷付いてしまうのです。

角質層の役割

表皮の一番上にある角質層はわずか0.02mmの薄い層ですが、外部刺激から肌を守る重要な役割を担っています。角質層には、角質細胞が14~15層ほどブロック状に積み重なっており、この隙間を細胞間脂質がつないでいます。

この細胞間脂質の主成分がセラミドです。よく化粧品に配合されている成分なので、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。セラミドを主成分とした細胞間脂質は、肌の水分をキープする役割を持っており、その結果肌のバリア機能が正常に働くようになります。

そのため、セラミドが不足すると水分をキープしてくれる細胞間脂質が正常に働かなくなり、肌が乾燥してしまいます。そして、肌が乾燥するとバリア機能も低下し、肌トラブルが起こりやすくなってしまうのです。

ターンオーバー

ターンオーバー

表皮の生まれ変わりのことを、ターンオーバーと呼びます。表皮の一番内側にある基底層で生まれた細胞が、有棘層⇒顆粒層⇒角質層の順に押し上げられていき、最後は垢となって剥がれ落ちる、という構造です。

ターンオーバーの速度は体の部位によって異なり、個人差もありますが、だいたい28日~56日程度だといわれています。基底層から顆粒層までが14~42日、角質細胞となってはがれ落ちるまでが14日程度です。手や足などの末端部位は、血行の関係でターンオーバーが比較的遅くなっています。

また、年齢を重ねるごとに新陳代謝が低下するため、ターンオーバーの周期も遅くなる傾向にあります。30代~40代になると、45日程度かかるとのことです。若い年代であっても、間違ったスキンケアをしていたり不規則な生活を送っていたりすると、ターンオーバーが乱れてしまいますので注意しましょう。

基底層とメラノサイト

メラノサイト

表皮の一番下の基底層には、メラニン色素を作り出すメラノサイトという細胞があります。メラノサイトは、紫外線や活性酸素などによって活性化され、その結果メラニン色素が生成されます。

通常、メラニン色素はターンオーバーによって排出されるので、色素沈着が起こることはありません。しかし、紫外線などの刺激を過剰に受けるとメラニン色素も過剰に生成されて、体外に排出しきれずシミとして残ってしまいます。シミを防ぐためには、メラノサイトを活性化させないことと、ターンオーバーを乱さないことが大切なのです。

真皮

真皮

真皮は、表皮の下に位置する平均2mm程度の層です。真皮の約70%はコラーゲンが占めており、編目状に張り巡らされています。そして、コラーゲンを繋ぎ合わせているのが、弾力のあるエラスチンという成分です。

このコラーゲンとエラスチンの組み合わせによって、肌のハリや弾力が保たれています。また、コラーゲンとエラスチンの間には水分を保つ役割を持つヒアルロン酸が含まれており、肌全体に潤いをもたらしているのです。

これらのコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸は、真皮の中にある繊維芽細胞と呼ばれる細胞によって作り出されています。しかし、繊維芽細胞は加齢や紫外線などの影響で衰えてしまい、それに伴いコラーゲンやエラスチンの生産量も減ってしまいます。その結果、シワやたるみなどの症状が現れてしまうのです。

皮下組織

真皮の下にある皮下組織は、主に脂肪(皮下脂肪)からできています。脂肪と聞くと不要なものというイメージを持つ方も多いかもしれませんが、体温を保ったり、外部からの衝撃を和らげたりする重要な役割を担っているのです。また、皮下組織の毛細血管から真皮や表皮に栄養を届ける働きもあります。

肌の仕組みを知って適切なスキンケアを

肌が美しい女性

このように、肌はいくつもの層に分かれており、それぞれ異なる役割を持っています。乾燥で悩んでいるならセラミドを補給したり、シミが気になるならターンオーバーを促進したりなど、肌の仕組みを理解したうえで適切なケアを行うことが大切です。

また、肌の働きの衰えには、睡眠不足や食生活などの生活習慣も大きく関わっています。スキンケアだけでなく、体の中からもケアをしていきましょう。

この記事のまとめ

肌は表皮・真皮・皮下組織の3層で構成されている。
表皮は角質層・顆粒層・有棘層・基底層の4層で構成されている。
角質層にあるセラミドは、肌の水分をキープし、肌を外部刺激から守る役割を持つ。
表皮の生まれ変わりのことをターンオーバーと呼ぶ。
真皮にはコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸が含まれている。
皮下組織は体温を保ったり真皮や表皮に栄養を届けたりする役割を持つ。

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