乾燥肌さん必見!保湿成分の特徴を詳しく解説します!

肌が潤っている女性

コラーゲンやヒアルロン酸、セラミドなど、化粧品にはさまざまな保湿成分が配合されていますよね。でも、これらの成分の何が違うのか分からない…と思っている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、多くの化粧品に配合されている保湿成分の特徴を、それぞれ詳しく解説していきます。乾燥肌の方はぜひ参考にしてみてくださいね。

角質層にある保湿成分

人間の肌にある保湿成分は、表皮の角質層にある保湿成分と、真皮にある保湿成分の2つに分けることができます。まずは、肌の一番上の層である角質層に存在する保湿成分から見ていきましょう。

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セラミド

保湿成分

セラミドは、角質層に存在する細胞間脂質の主成分です。細胞間脂質は、角質層でブロック状に積み重なっている角質細胞同士をつなぎ合わせている成分であり、肌の水分を挟みこんでキープする働きを持っています。

保湿成分は、「水分を挟み込むタイプ」と「水分を抱え込むタイプ」、「水分を吸着するタイプ」の3つに分けることができます。その中で最も保湿力が高いのが、細胞間脂質のような水分を挟み込むタイプです。セラミドはこの細胞間脂質の約50%を占める主成分ですので、肌の潤いを保つために特に重要なのです。

化粧品に配合されているセラミド

化粧品に配合されているセラミドには、いくつかの種類があります。

  • ヒト型セラミド(バイオセラミド):人間の肌の角質層に存在するセラミドと同じ構造を持つ成分で、酵母を利用して生成される。保湿力が高く、肌への刺激も少ない。
  • 天然セラミド(動物性セラミド):馬などの動物の脳や脊髄から抽出したセラミド成分。角質層に存在するセラミドと性質が近く、保湿力が高い。
  • 植物性セラミド(グルコシルセラミド):米や大豆、トウモロコシ、こんにゃく芋などの植物から抽出したセラミド成分。刺激になりにくいが、ヒト型セラミドや動物性セラミドと比べるとやや効果が低い。
  • 疑似セラミド(合成セラミド):石油原料から科学的に合成した、セラミドに似た構造の保湿成分。大量生産が可能なため安価だが、ほかのセラミドと比べると効果は低い。

人間の肌になじみやすい、ヒト型セラミド天然セラミドが配合されている化粧品を選ぶと良いでしょう。また、セラミドの種類だけでなく配合量も重要です。高品質でセラミド配合量の多い化粧品は値段が高くなってしまいますが、その分高い保湿効果が期待できます。あまりにも安いものは、セラミドが微量しか配合されていない可能性もあるため注意しましょう。

天然保温因子(NMF)

肌が潤っている女性

天然保温因子(NMF:Natural Moisturizing Factor)は、角質細胞内に存在する水分保持成分です。「水分を吸着するタイプ」の保湿成分であり、水分を挟み込むタイプや抱え込むタイプの保湿成分と比べると、やや効果は低くなります。しかし、サラッとしていて使い心地が良いため、保湿化粧水などによく配合されている成分です。

天然保温因子(NMF)の構成成分

天然保温因子(NMF)は、以下のような約20種類の成分で構成されています。

  • アミノ酸:約40%
  • ピロリドンカルボン酸(PCA):12%
  • 乳酸ナトリウム:12%
  • 尿素:7%
  • ミネラル類:18.5%
  • 糖、有機酸など:18.5%
  • その他:10.5%

天然保温因子(NMF)の主要成分はアミノ酸です。そのため「天然保温因子(NMF)配合」と記載されている化粧品だけでなく、アミノ酸が配合されている化粧品も保湿に効果的だといえます。

真皮にある保湿成分

保湿成分

表皮の下にあり、肌のハリや弾力を保つ働きを持っているのが真皮です。真皮には、保湿成分として有名なコラーゲンヒアルロン酸などが含まれています。

真皮は肌の奥に位置する層であるため、外から化粧品を塗っても真皮まで成分を届けることはできません。肌に塗った化粧品の成分は、表皮の一番上にある角質層に留まることになります。しかし、肌表面で水分をキープする働きが期待できるため、多くの化粧品に保湿成分として配合されているのです。

コラーゲン

コラーゲンはタンパク質の一種で、真皮の約70%を占めている成分です。真皮に網目状に張り巡らされており、肌のハリや弾力を保つ働きを持っています。

コラーゲンは、「水分を抱え込む」タイプの保湿成分です。外から塗っても真皮まで届けることはできませんが、角質層で水分を抱え込んでくれるため、保湿効果が期待できます。

エラスチン

エラスチンは、真皮でコラーゲン同士を繋ぎ合わせている成分です。コラーゲンだけでなくエラスチンが存在しているからこそ、肌のハリや弾力が保たれています。また、エラスチンも水分を抱え込むタイプの保湿成分ですので、真皮まで届かなくても角質層の潤いを保つために役立ちます。

ヒアルロン酸

真皮のコラーゲンとエラスチンの隙間には、1gで約6リットルもの保水力があるといわれているヒアルロン酸が存在しています。こちらも、水分を抱え込むタイプの保湿成分です。保水力が高いため、保湿成分の中でも特に有名ですが、コラーゲンやエラスチンと同様に外から塗っても真皮まで届けることはできません。しかし、角質層でしっかりと水分を抱え込んでくれるため、肌の保湿に効果的です。

線維芽細胞増殖因子(FGF)

コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸は、真皮にある繊維芽細胞と呼ばれる細胞によって作り出されています。コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の分泌量を増やすためには、この繊維芽細胞を活性化させることが大切です。

コラーゲンやヒアルロン酸などと比べるとあまり有名ではありませんが、繊維芽細胞を活性化させる線維芽細胞増殖因子(FGF:Fibroblast Growth Factor)という成分があります。美容外科などでは、この線維芽細胞増殖因子(FGF)を肌に注入して、美肌効果を得る施術が行われています。

保湿成分の特徴を理解して適切なケアを

肌が潤っている女性

化粧品に配合されている保湿成分には、さまざまな種類があります。それぞれの特徴を理解したうえで、自分に合った保湿化粧品を選ぶことが大切です。

この記事のまとめ

セラミドは、角質層に存在する水分を挟み込むタイプの保湿成分。
天然保温因子(NMF)は、角質層に存在する水分を吸着するタイプの保湿成分。
コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸は、真皮に存在する水分を抱え込むタイプの保湿成分。
コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸は、真皮にある繊維芽細胞によって作り出されている。
この繊維芽細胞を活性化させる、線維芽細胞増殖因子(FGF)という成分もある。

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