オーガニックコスメって何?ナチュラルコスメとの違いは?

オーガニックコスメ 女性

近年非常に注目を集めているオーガニックコスメ。なんとなく「肌に良さそう」というイメージはあるけれど、具体的にどんな化粧品を「オーガニックコスメ」と呼ぶのかは分からない…という方が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、オーガニックコスメの特徴やオーガニックコスメの認証機関、そしてオーガニックコスメと混同しがちなナチュラルコスメや無添加コスメとの違いについて、詳しく解説していきます。

オーガニックコスメとは?

オーガニック(organic)とは、「農薬や化学肥料を使わない有機栽培」を意味する言葉です。そのためオーガニックコスメとは、農薬や化学肥料を使わずに育てた植物を原料とするコスメのことを指します。

有機栽培かどうかは、第三者機関による認定を受ける必要があり、海外にはさまざまなオーガニック認証機関が存在しています。しかし、日本にはオーガニックコスメに関する認証機関がありません。日本におけるオーガニックコスメの定義はあいまいで、各ブランドによって異なっています。

そのため、日本ではオーガニック成分がほんの1滴でも入っていれば、「オーガニックコスメ」と言えてしまうのです。化粧品の宣伝文句だけで判断せず、しっかりと成分を確認することが大切です。

海外のオーガニック認証機関

海外にはさまざまなオーガニック認証機関があり、認証基準は各国各団体によってそれぞれ異なります。代表的なオーガニック認証機関は以下の通りです。

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ECOCERT(エコサート)

1991年に農学者の団体によって設立された、フランス・トゥールーズに本拠地を置く国際オーガニック認定機関。ヨーロッパを中心に世界50ヵ国以上で認証を行っている世界最大規模の団体で、オーガニック認証団体の世界基準といわれています。また、エコサートはオーガニック成分の配合割合が異なる2つの認証に分かれています。主な特徴は以下の通りです。

エコサート ナチュラル

  • 製品の95%以上が自然原料であること
  • 植物原料の50%以上がオーガニック原料であること
  • 製品の5%以上がオーガニック原料であること

エコサート ナチュラル&オーガニック ※より厳しい基準

  • 製品の95%以上が自然原料であること
  • 植物原料の95%以上がオーガニック原料であること
  • 製品の10%以上がオーガニック原料であること

COSMEBIO(コスメビオ)

2002年に設立された、フランスのエコロジカル・オーガニック化粧品協会です。エコサートなどのオーガニック認証機関の定める基準をクリアした製品に、安全性と品質を保証する証として、コスメビオマークが与えられます。

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BDIH

2000年にドイツで作られた、ナチュラルコスメのガイドラインです。ちなみにBDIHとは、「ドイツ化粧品医薬品商工業企業連盟」の略となります。

  • 入手可能な限り有機栽培または野生の植物から抽出した原料を使用すること
  • 動物実験は行わず、動物からとった原料も使用しないこと(キトサン、カルミン、シルクなどは例外)
  • 合成色素や合成香料、シリコン、パラフィン、石油製品、エトキシ化物質を使用しないこと

などが主な基準として挙げられます。

NATRUE(ネイトゥルー)

2007年に設立された、ベルギー・ブリュッセルに拠点を置く国際的な非営利団体です。配合が認められている原料は自然原料(水を含む)・準自然原料・自然同一原料の3つのみで、他の原料の配合は認められていません。認証マークは3種類に分かれており、グレードによってオーガニック成分の配合量などが異なります。

demeter(デメター)

ドイツのオーガニック認証団体。ルドルフ・シュタイナーが提唱した、バイオダイナミック農法で栽培された農産物を使用するなど、世界的に最も厳しい基準が定められています。

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ACO

ACO(Australian Certified Organic)は、2002年に設立されたオーストラリア最大のオーガニック認証機関です。原料の95%以上がオーガニックであること、残り5%についても基準に準拠した天然成分であること(つまり100%天然成分であること)などの厳格な基準が設けられています。

USDA

USDA(United States Department of Agriculture)とはアメリカの農務省のことで、農産物や食料品をメインとしたオーガニック認証を行っています。アメリカではオーガニックコスメに関する明確な基準が確立されていない部分があるため、コスメについても食品の基準であるUSDAが採用される場合が多いのだそうです。

SOIL ASSOCIATION(ソイルアソシエーション)

1946年に設立された、イギリスのオーガニック認証機関。日本語にすると「英国土壌協会」であり、「健康な土壌が健康な植物を育み、それが健康な体を生んでいく」という理念のもと設立されました。そのため、植物を栽培する土壌の健全さを重視した基準が定められています。

ICEA(イチェア)

イタリアのオーガニック認証機関。ICEAはIstituto per la Certificazione Etica ed Ambientaleの略で、日本語にすると「倫理と環境のための認証協会」という意味になります。認証品目は「オーガニックおよび環境に配慮した持続的な製品」であり、畜産物や農産物、それらの加工品、化粧品などの認証を行っています。

オーガニックコスメの魅力

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1. 肌にやさしい

オーガニック認証機関では、製品の主原料が自然由来成分であることや、一定の割合がオーガニック原料であることなどを定めています。化学合成成分を極力排除した自然由来の化粧品であるため、肌への刺激が少ない=肌にやさしい化粧品だといえます。化学合成成分で刺激を感じやすい、敏感肌の方にもおすすめの化粧品です。

2. 環境にやさしい

オーガニックコスメの原料となる植物は、農薬や化学肥料を使わない有機農法で栽培されているため、環境や生物への負荷が少ないのが特徴です。環境に配慮したライフスタイルを送りたい、という方にも、オーガニックコスメは向いているといえます。

3. 天然アロマ成分でリラックス

植物から抽出したエッセンシャルオイル(精油)で、香りづけがされているオーガニックコスメも多数あります。エッセンシャルオイルは、アロマセラピーなどに用いられている天然の香り成分。スキンケアをしながら、天然アロマの効果でリラックスすることができるのも、オーガニックコスメの魅力です。

ナチュラルコスメや無添加コスメとの違いは?

オーガニックコスメと混同されがちな言葉として、「ナチュラルコスメ」や「無添加コスメ」が挙げられます。オーガニックコスメとは何が違うのか、ここで確認しておきましょう。

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ナチュラルコスメとは

ナチュラルコスメとは、化学合成成分などをできる限り使用せず、自然由来の成分を主に使用している化粧品のことです。「自然派化粧品」などと呼ばれることも多いですね。オーガニックコスメと同じく肌への刺激が少ない化粧品なので、原料となる植物の栽培方法にこだわりがなければ、ナチュラルコスメでも十分かもしれません。

ただし、ナチュラルコスメに関しても明確な定義がないため要注意。使用している成分をしっかりと確認することが大切です。

無添加コスメとは

無添加コスメとは、一般的に「旧表示指定成分」が配合されていない化粧品のことを指します。旧表示指定成分とは、2001年の薬事法改定前まで表示が義務付けられていた、アレルギーの危険性が認められる102種類の成分のことです。防腐剤や合成界面活性剤などがこれに含まれています。

しかし、旧表示指定成分の全てが無添加であるかどうかは、化粧品によって異なるため注意が必要です。日本におけるオーガニックコスメやナチュラルコスメと同じく、自分の目で成分をしっかりとチェックするようにしましょう。

オーガニックコスメの選び方

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前述の通り、日本にはオーガニックコスメに対する明確な定義がありません。そのため、オーガニックコスメを選ぶ際には、海外のオーガニック認証を受けているかどうかがひとつの目安となります。認証マークのある代表的なオーガニックコスメブランドを、いくつかまとめてみました。

海外オーガニックコスメ

  • Dr.ハウシュカ(Dr. Hauschka):NATRUE、BDIH
  • ヴェレダ(WELEDA):NATRUE
  • ラヴェーラ(lavera):NATUE
  • トリロジー(trilogy):NATRUE、BioGro(バイオグロ:ニュージーランドのオーガニック認証機関)
  • プリマベーラ(PRIMAVERA):NATRUE、demeter
  • シゲタ(SHIGETA):ECOCERT、COSMEBIO
  • メルヴィータ(Melvita):ECOCERT、COSMEBIO
  • ロゴナ(LOGONA):BDIH、NATRUE
  • ジュリーク(Jurlique):NASAA(オーストラリアのオーガニック認証機関)
  • テラクオーレ(Terracuore)※日本とイタリアの共同開発:ICEA、demeter、SoCert(ソサート:イタリアのオーガニックコスメ認証機関)

国産オーガニックコスメ

  • 琉白(るはく):ECOCERT
  • ドゥーオーガニック(do organic):ECOCERT、COSMEBIO
  • ウェリナ(WELINA):USDA

もちろん、オーガニック認証マークが付いていない化粧品は肌に悪い、というわけではありません。オーガニック認証を受けてはいないけれど、自然由来成分を主成分としていたり、オーガニック原料を高い割合で配合していたりするコスメブランドもあります。認証マークだけでなく、ブランドのこだわりやコンセプトなどもチェックしてみると良いでしょう。

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また、「オーガニックコスメならどんな人にも合う」わけではありません。アレルギーを持つ方などは、特定の天然成分にアレルギー反応を起こしてしまう可能性もあります。オーガニックなら絶対安心、とは思わずに、配合されている成分を事前に確認することが大切です。

自分に合うオーガニックコスメを見つけよう

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オーガニックコスメは、化学の力に頼らず、植物に含まれる豊かな美容成分を活かして作られている化粧品です。肌にも環境にもやさしく、心地良い香りで心身をリラックスさせてくれます。しかし、日本においては明確な定義がないため、成分や海外の認証マーク、ブランド独自の基準などをよくチェックして、自分に合うオーガニックコスメを選んでみてくださいね。

この記事のまとめ

オーガニックコスメとは、農薬や化学肥料を使わずに育てた植物を原料とするコスメのこと。
日本にはオーガニックコスメに関する認証機関がない。
海外にはECOCERT(エコサート)、BDIH、NATRUE(ネイトゥルー)などのさまざまなオーガニック認証機関がある。
化粧品の宣伝文句だけでなく、成分をよく確認して自分に合うオーガニックコスメを選ぶことが大切。

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